懐かしい木工作品との再会
木の作品
今日はいつもと違う布ではなく木の作品のご紹介です。
過去に、もうかなり前になりますが自分のお家を新築したことをきっかけに木工やトールペイントを始めました。
書籍「私のカントリー」やインテリア、木工に関する書籍等たくさん流行っていた頃でもあります。
卓上のイトノコや角を丸くするルーターや電動のやすり等そんな機械が欲しくてよく近くのアヤハディオに行っていたものです。
また、制作した木材の作品に自分で絵を描けたら楽しいだろうなとトールペイントも始めた頃でした。トールペイントはかなりはまり単発の1day教室や大阪のくにおまさよ先生の所へ習いに通ったものです。
そんな懐かしい頃子供の同級生のママ友より依頼されて制作したウサギの大きなウェルカムボード
㋄半ば頃だったか何年ぶりなのだろうかと思うくらい久しぶりに電話があり、取れなくて折り返したらその方からの電話でした。
久しぶり~という話から本題に入るとそのウサギの話でした。
多分制作してから15年以上は経っていると思います。そのウサギが今も大切にされているのだけどかなり汚れてしまい思い切って処分しようかと思っていたら娘さんが「そのウサギは絶対に捨てないで」と懇願するので、でもこのままではかなり古くなってしまったので修理できないかとのご相談でした。
正直、私はすっかり忘れていて、本当に私が作ったのかと思うくらい記憶の遠いところに行ってしまっていたのですが、他の作品も画像で見せてもらったり、自分の家族に話して「そんなの作ってたね!覚えてる」と言われじわじわと思いだしました。
今現在は皆様もご承知の通り、布ものを扱ったお仕事をメインにしているため、どうしようかと一瞬思いましたが、娘さんが絶対に捨ててほしくないと言ってくださったとお聞きしてこれは直すしかないとお引き受けしました。
幸いまだトールペイントの材料も残していたので、持ち合わせの材料でお直しすることにしました。
当初、このウサギを作った時はナチュラルな雰囲気重視で木の素朴感を生かして多分ニス等塗っていなかったと思うのですが、やはり木のままでは反りや木の劣化があり、何か下地材やニスを塗らないと更に木が朽ちてしまう可能性があったので、とりあえずワイヤーでつなげていた耳やウェルカムボードや布で飾り付けしていた部分を外し、全体にやすりをかけました。
やすりをかけて木の表面がきれいになったところで、何も塗っていない部分にシーラー(下地材)を塗りまた、色付けしていた部分は似たような色を塗りなおしました。
特にハートのウェルカムボードは木の劣化があって変色していたため、これもシーラーを塗ってから茶系のアクリル絵の具を塗り更に大きな筆で地色より濃い目の茶色でサイドローディング(トールペイントの技法)で陰影をつけアンティーク感を出してみました。また、生成りのような色でスパッタリングという技法で細かな粒模様を付けて更に雰囲気を入れて可愛らしく。
久しぶりに持つ筆でしたが、案外思い出せるものです。
湿気が多いのかペイントがすぐに乾かずドライヤーを使って乾かしながら進めていくと、何年か前に自分もトールペイントを楽しんでいたなと思いだしました。あの頃は夢中で絵を描いていましたね~
土台は少し傾いていたのですがそれはあまり触らない方が良いと判断して、気持ち前のめりになっていますがそのままに
全てにニスを塗り終えたらエプロンと襟元のレースを付けておめかし♡
襟元のレースはアンティークレースを使いました。また首元には残っていたラフィアでリボンに🎀
最後に耳とウェルカムボードをワイヤーで取り付けて完成しました。
何故か木の作品なのにbefore afterの差がすごくてなんだか表情すらりりしく見えてしまって生きているような感覚でウサギの顔も喜んでくれているように見えるのは本当に不思議です。
完成した画像をお送りしたら、とても喜んでくれて大満足との事でした(^▽^)/
お忙しい方なので取り急ぎ、近くのご実家にお預けしてますがまた彼女のお家でこれからも大切にされ
ることだと思います。
まさかのまさか、こんな形で再会できるとは思いも寄りませんでしたが、作品として長くその方と寄り添ってきたんだな、大切にされてきたんだなと思うとウサギの気持ちとして誇らしく、そして母の気持ちでまた「行ってらっしゃい」と言葉をかけました。
こういった作品に限らず、お洋服も長く愛用していただける作品を作り
続けていこうと改めて心に誓いました。
再会の機会を与えてくださり感謝です。ありがとうございました。
※現在はトールペイント、木工作品は制作しておりません。